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くつしたをかくせ!

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レビュー(Amazon.co.jp)

 『GOTH』などで知られるミステリー作家の乙一が手がけた初の絵本。透明感のある美しい色合いの絵を担当するのは、「角川スニーカー文庫」の乙一作品の挿絵を担当してきた羽住都。各ページに英訳を併録。

 「サンタがくるぞ! くつしたをかくせ!」クリスマスの夜、大人たちはおびえながら子どもにそう言った。雪の降る町で、砂漠の国で、南の海で。子どもたちは決してサンタに見つからないようにと、くつしたを隠した。犬やラクダに見張ってもらった子もいた。握り締めて眠った子もいた。けれど翌朝には、世界中の子どもたちのくつしたにはおくりものが入っていた。「たいへんだ! サンタがきたぞ!」

   彼はだれなのか。なぜこんなことができるのか。大人は言う。「サンタだから、それぐらいできるのだよ」。あいまいで、不思議だけれど、子どもたちはサンタの存在をそのまま受け入れるしかない。最後のページで、空を見上げる子どもたちの顔にうかんでいるのは、単なる感謝の気持ちでも、喜びでも、恐怖心でもなく、畏敬の念に近いものだろう。乙は、これまで幾度となく描かれてきたサンタ像をこわすことなく、けれどまったく新しいサンタのとらえ方を本書で提示してみせた。

   乙一ファンのお楽しみ、「あとがき」は今回もたっぷりあって、「ガチャピンとムック」を登場させたりと一見はぐらかすようでいながら、さまざまな示唆を与えてくれる深いエッセイとなっている。「プロフィール」にも、にやりとさせられる。(門倉紫麻)

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